太極拳の歴史

太極拳の創始者は諸説ありますが、江南省温県陳家溝出身の陳王廷である、という説がもっとも有力視されています。
17世紀のなか頃、陳王庭は当時戦の訓練法として民間に広く普及していた十三勢五路、長拳八勢一路、炮捶一路をベースにしたいくつかの拳法をとりまとめ、陳式太極拳としました。
太極とは・・・?
←このマークは「太陰大極図」といいます。無限・宇宙を表しています。
東洋哲学古典「易経」の根本思想である陰陽思想は、宋朝の周公が、陰陽無限の作用によって宇宙の実相を説明するため、万物の生ずる宇宙の根源として大極というものを想定し、大極図を描いたのがはじまりです。
黒色の勾玉が陰、白色の勾玉が陽を表し、これは0(無極)から-(陰極)と+(陽極)が生じ、-と+があわさってすべての事柄が調和している、という考えかたです。
静的なもの・ネガティブ・暗・夜・雌を陰とし、能動的なもの・アクティブ・明・昼・雄などを陽とします。
陰陽の区別はまたどちらの方向へ向かっているか、も定義していて、後退・下降・左への移動を陰、前進・上昇・右への移動を陽とします。
また、陰のなかに陽(黒色の勾玉のなかの白色の円)、陽のなかに陰(白色の勾玉のなかの黒色の円)が存在し、これを陰中陽・陽中陰といい、それぞれに逆の属性も含まれていることを表しています。
たとえば、行燈などの灯りは、属性が陰の夜にあっては陽のものとなりますが、陽である昼間には、陰のものになります。
太極拳は敵対している相手の攻撃を無効化することによって、ゼロとします。
攻撃相手も自分もほとんど傷つくことがありません。
すべては相対的であり、果てし無い循環のなかに調和と統一が保たれている、という陰陽思想が太極拳のなかに活かされているのです。
太極拳の流派
太極拳の流派は、大きく5つあります。古い順に、陳式太極拳、楊式太極拳、呉式太極拳、武式太極拳、孫式太極拳、で各々その創始者の苗字を取った呼称になっています。代表的な5大流派の伝統的太極拳の特徴は下記のとおりです。
1. 陳式太極拳・・・・・快慢・高低・跳躍・活発・発けい・豪柔
2. 楊式太極拳・・・・・大きくゆったりした動作の連続
3. 武式太極拳・・・・・動作は非常に小さく実戦的
4. 呉式太極拳・・・・・大きく伸びやか、前傾動作に特徴がある
5. 孫式太極拳・・・・・開合・進退・転折機敏
伝統太極拳と国家制定拳
伝統太極拳とは、上記の5大流派の太極拳のことを指し、清の初期17世紀なか頃に陳王廷によって創作された陳式太極拳以降、伝承され発展しつづけているようなものをいいます。
国家制定拳とは、1956年以降に国家機関である中華人民共和国体育運動委員会で制定されたもので、大極拳をもっと一般のひとでも学びやすく、練習しやすいように編集したものです。楊式太極拳をベースにしています。
現在は簡化24式太極拳・八十八式太極拳・三十二式大極剣・四十八式太極拳・大極推手のことを指し、伝統大極拳と同様、身体鍛練、健康維持、病気治療法として大きな効果があります。
日本では1987年4月日本武術太極拳連盟が発足、翌1988年12月に文部省(現文部科学省)より社団法人として認可されました。1995年には大極拳技能検定制度が導入され全国で検定試験実施を開始し、国民的スポーツとして認知されるに至っています。
簡化24式太極拳
国家制定拳のなかで最もポピュラーなのが簡化24式太極拳です。
型の全容は二十四の動作で構成し、動作はのびのびとし、歩法は軽やかで手法は簡潔である、としています。また、鍛錬の効果をより高度に保つために、左右均等に動作を繰り返し、集団でも単独でも練習できるように考慮されています。
太極拳の動作の基本は円です。
そして雲のようにゆるやかに変化を続け、大河のように一時も止まることなく流れるが如くです。
太極拳の上達にもっとも大事なのは、良い老師&良い仲間たちです。(^^)
みんなの太極拳を楽しみましょう!!


